インタビュー 榎木淳弥×内田雄馬:「呪術廻戦」渋谷事変 虎杖と伏黒の共闘に「やっぱり二人は強い」 過酷な戦いの醍醐味

 「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」の第2期。呪術師、呪詛師、呪霊が渋谷に集結し、かつてない大規模戦闘を繰り広げる「渋谷事変」に突入し、最強の呪術師・五条悟が封印されるという衝撃の展開も話題になっている。10月5日にMBS・TBS系で放送される第35話(第2期の第11話「降霊」)では、五条を救うべく奔走する虎杖悠仁と伏黒恵が、呪詛師の粟坂二良と対峙し、初めて本格的に共闘することになる。虎杖悠仁役の榎木淳弥さん、伏黒恵役の内田雄馬さんに第35話の収録の裏側、見どころを聞いた。

 ◇五条悟封印の衝撃 第2期はチャレンジングな収録

 --テレビアニメ第2期は、第6話から「渋谷事変」に突入しました。印象に残っているシーンは?

 榎木淳弥:バッタのような呪霊の蝗GUYと虎杖とのバトルですね。この戦いは、呪霊に対する怒りをぶつけるシーンが多くて、やっぱり虎杖は明るいキャラクターに見えて、根っこには(吉野)順平の事件の時の怒りがたまっている状態なんだなと改めて感じました。虎杖が強くなっていることが表現されたシーンでもあるので、印象に残っています。

 内田雄馬:やっぱり五条封印ですね。衝撃的であるし、呪術界が変わるぐらいの出来事。五条が生まれて世界が変わったように、五条が封印されて世界が変わっていくというところのスタートなので、ここに尽きるのではないかと。

 --第2期の収録の様子は?

 榎木淳弥:ディレクションとして、キャラクターについて言われることはあまりないのですが、第1期とスタッフさんが変わっていたりもするので、ディレクションの雰囲気というか、やり方は違う感じはしますね。

 内田雄馬:心情的な部分よりも、絵に対してどうアプローチするか?ということが増えた感じがあります。それは多分、第2期では原作で描かれていない部分を膨らませて表現しているシーンも多いので、そこを加味した上でのディレクションなのかなと。ディレクションも含めてみんなで心情を探りながら収録していた第1期に比べて、第2期は結構チャレンジングな収録というか。第1期以上にいろいろ考えなきゃなと思いながら収録しています。

 ◇虎杖のフィジカル、伏黒の頭脳 初の共闘であうんの呼吸

 --第11話では、虎杖と伏黒が共闘し、呪詛師の粟坂に立ち向かいます。

 榎木淳弥:粟坂は第34話(第2期の第10話「昏乱」)の最後で登場して、強者感があるというか、かなり強力な術式を持っている。頭脳戦にもなってきますが、頭脳といったら伏黒なので、その辺りの活躍も見られると思います。あとは、虎杖のフィジカルも見どころになってくるかなと思います。

 内田雄馬:第2期の例に漏れず、第35話のバトルシーンも原作からかなり丁寧に膨らませた表現で描かれています。伏黒は十種影法術を使いますが、いろいろなタイプの式神を扱えるようになっているので、バトルはすごく面白い作りになるんじゃないかと。虎杖は、本当にフィジカルが強いんですけど、意外と「そんなこともできるんだ」というシーンもあって、見応えがあるんじゃないかと思います。

 --虎杖と伏黒の共闘シーンを演じた感想は?

 榎木淳弥:二人があうんの呼吸で戦っている感じがしました。相手も強いんですけど、やっぱり虎杖と伏黒って、結構強いんだなと改めて思いました。これまでは相手が強すぎてやられているイメージがあったんですけど、二人がそろうと強い。実は二人そろって戦うことってこれまであまりなかったんです。

 内田雄馬:(第1期の)少年院の戦いの時も、伏黒は途中から虎杖と入れ替わった両面宿儺と戦っていたしね。

 榎木淳弥:そう、本編中の描写として共闘はないんですよね。もしかしたら初めてなのかもしれない。

 内田雄馬:お互いの特性をうまいこと使っている感じがありましたね。

 榎木淳弥:コンビネーションを感じました。

 ◇渋谷事変は「かなりハード」 虎杖が“丸裸”に!?

 --「渋谷事変」の今後の見どころを教えてください。

 内田雄馬:伏黒的には、本人が認識しているかしていないか分からないところで、いろいろなことが起きていきます。「渋谷事変」で本当にヤバい敵が現れて、呪術界的にもヤバい状況の中で、生きるか死ぬかという戦いをずっとしていく。伏黒としては、何とかしてみんなが生き残ってこの状況を収められるようにと思っているとは思うんですけど、自分が認知していないところで因縁深い人物が登場したりとか……。過酷な状況の中で、精神的にもかなりハードなことが起こるので、生き死にを懸けて戦い切るみんなの姿をぜひ見届けてほしいと思います。

 榎木淳弥:虎杖的には、すごいバトルがずっと続く章なので、結構しんどいなという感じはしますね。メンタル的にもかなり追い込まれる。これまでの虎杖は“明るくていいやつ”という印象が強かったんですけど、「渋谷事変」からそのメッキがだんだんと剥がれ始めるので、逆に虎杖のことを好きになる人が多いんじゃないかなと思います。丸裸にされる感じがすごくある章なので、今からそれをアフレコするのがすごく楽しみです。

 --過酷な状況を演じるのは、やはり大変ですか。それとも楽しい?

 榎木淳弥:僕は楽しいですけどね。

 内田雄馬:大変さと楽しさが両方あってこそというか。しんどいけど、それが好きでこの仕事をやっている部分もあるので。難しいことも多いですけどね。結果、楽しんでいます。