スタジオジブリの“幻の名作”「海がきこえる」 31年の時を超えビジュアルブック発売

 スタジオジブリの“幻の名作”と言われる長編アニメ「海がきこえる」のビジュアルブック「海がきこえる THE VISUAL COLLECTION」(トゥーヴァージンズ)が、10月25日に発売されることが分かった。スタジオジブリがテレビスペシャル用として制作し、1993年5月5日に日本テレビ系で放送されたアニメで、約31年の時を超え、ビジュアルブックが発売されることになった。

 同作は、アニメ誌「アニメージュ」(徳間書店)で連載された氷室冴子さんの小説が原作。高知と東京を舞台に、主人公の武藤里伽子、杜崎拓たち高校生の男女のかけがえのない日々が描かれた。アニメは、「スタジオジブリ若手制作集団」という名義の元、望月智充さんが監督、近藤勝也さんが作画監督、田中直哉さんが美術監督を務めるなど、当時の若手スタッフたちが結集し、制作された。1993年の初放送以来、名作として語り継がれ、近年では、インターネットを中心に若い観客層が“新発見”。今年3月に東京・渋谷のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下で劇場再公開され、ロングランヒットを記録したことも話題になった。

 ビジュアルブックは、望月監督が選んだベスト30カットでつづるフィルムストーリーや、カラーイラスト、キャラクター設定画、美術設定画のほか、「アニメージュ」での原作連載時に描き下ろされた約140点にも及ぶ近藤さんによる挿絵を未使用分も含めカラーで収録。近藤さん所蔵のスケッチブックから、連載以前に描かれたキャラクター素案や、当時の貴重な資料も掲載される。

 巻末には、当時のポスター、チラシ、歴代商品のカバーやジャケット、グッズ類などのビジュアルを掲載。望月監督、近藤さん、高橋望プロデューサーのインタビューも収録される。

 A4判、160ページ。価格は3520円。